「わくらば」

言葉

病葉(わくらば)
・病気や虫喰いなどで枯れた葉
(夏の季語)


ごきげんよう。


仏壇に供えられた菊。
近所の庭の百合。
公園の桜。


満開に咲き誇っている姿は美しい。


「植物」といえば
花に注目しがちですが、
今回は葉っぱのお話です。


わたしは特に、
桜の葉っぱが好きです。


花が散ったあと。


青々と茂る葉に
虫喰いでさらに細かく穴が空いて。


陽の光が透ける様は
大変幻想的で心惹かれるものです。

“寒くなる前に
一足先に散っていく
儚い存在として”


人々が心を寄せた跡が見えるようで
わたしには“病葉”という言葉が
可愛らしく思えます。


さらに、
この言葉には
おもしろいところがありまして。


『病』という字単体で
『わくら』とは読まない、
ということ。


由来は分かっていないらしい。


“病葉”という言葉でのみ使われる
特別感もなんかいい。


✴︎今回の絵のポイント✴︎
“葉っぱのグラデーション”


色を混ぜ合わせて
偶然できた色彩が
とても綺麗でお気に入り。


女の子の表情が
病葉の儚い雰囲気に
ぴったりだと思いました。


【参考】
美しい日本語の辞典 小学館辞典編集部
エモい古語辞典 堀越英美

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